前回は、「自動化」と「自働化」の違いについて解説しました。
では次に考えるべきことはこれです。
自働化で何を良くしたいのか?
■「自働化すれば良くなる」は間違い
自働化を検討するとき、よくある考え方がこれです。
- とりあえず自働化すれば良くなる
- 他社がやっているから導入する
- 展示会で見た技術を使いたい
しかし、この進め方では高確率で失敗します。
なぜなら、
「目的」が決まっていないからです。
■自働化の効果は人によって違う
自働化で得られる効果は様々です。
例えば、
- 作業者の安全を確保する
- 品質を安定させる
- 作業工数を減らす
- 生産性を向上させる
どれも正しいですが、すべて同時に追うとどうなるか。
■あれもこれもは失敗する
- 安全も改善したい
- 品質も上げたい
- 設備費を抑えたい
- 工数も減らしたい
- 納期も短縮したい
確かに、全部できたらうれしいですよね。
しかし、それらすべてに効果を求めようとすると、
結果的にどれも中途半端になります。
■目的をどれかひとつに絞る
理由はシンプルに、優先順位が決まらないからです。
例えば、
- 品質を優先するなら「必ずミスを防ぐ仕組み」を作る
- コストを優先するなら「できるだけ安価な仕組み」で運用する
同じ工程でも、取るべき対策が変わります。
これを、品質もコストも効果を出したい!となると、
- 品質を優先するので、高額な検査装置を入れよう
- コストを優先するので、検査は人に頼ろう
といった具合に、矛盾が生じてしまいます。
■正しい考え方
ここで持つべき考え方はシンプルです。
まず「何を良くしたいか」を1つだけ決める。
さっきのような矛盾を生じさせない為に、
- まずは品質は確実に担保する
- まずは低コストを前提に検討する
このように一点に絞ることで、より明確な対策が打てます。
■小さく成功することが重要
自働化は一発で完璧を目指すものではありません。
小さく成功させて、積み上げていくものです。
- 1つの工程を改善する
- 効果を確認する
- 次の工程に横展開する
これを繰り返すことで、最終的に大きな成果につながります。
■よくある失敗パターン
ここでよくある失敗を挙げておきます。
:他社事例の丸真似
他社でうまくいっているから、自社でもうまくいくとは限りません。
その会社が持っている、
- 製品
- 工程
- 人
- 設備
- 風土
があったから効果が出たに過ぎません。
必ず自社のその工程に合わせた自働化を検討することが大切です。
:技術から入る
「このロボットを使いたい」
するとどこかに必ずムリやムダが生じ、どうしても帳尻合わせが発生します。
なので必ず目的を先に設定し、
- 目的に適しているか
- 過剰なスペックではないか
- 余計な機能がついていないか
- 技術を扱いきれるか
- 金額は妥当か
など、
最適な技術を比較選定していくことが重要です。
:とりあえず自働化する
「自働化によってどれくらい良くなるのか?」が分からず進めてしまう。
例えば、
●とにかく品質向上を図りたい。
とすると、目的に対して何が有効なのかが分からず、中途半端な効果しか出ません。
●品質不良が多発している。
どうやら組み立てする位置がしっかり決まっていない。
1㎜~2㎜程度ずれた状態で組み立てられていて目視でも分かりにくい。
だから、
このように背景をよく知った上で正しく目的設定します。
高額な位置決め装置や画像検査装置を使わずに効果を得ることができました。
「何をどのくらい良くしたい」という目的設定が大成功のカギです。
■現場発信が重要
よくある失敗パターンに陥らないために、どうしたらいいか。
答えはすべて現場にあります。
- 品質不良がたまに出る
- カンコツ作業が発生している
- 作業者が危険を感じている
- ミスが発生しやすい
- ムダな動きが多い
このような現場の違和感こそ、優先すべき課題です。
■まとめ
今回のポイントです。
自働化は「何を良くするか」で結果が決まります。
■シリーズまとめ
ここまでの流れを整理します。
自働化は正しく基礎知識を学ぶことが大切です。
次回予告
次回は、実際に現場で課題をどう見つけるのか。
「現場に入る重要性」について解説します。

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