自働化は「最後の手段」|工程を整えた後に初めて意味を持つ理由

自動化

前回は、いきなり自働化を行うのではなく、
まず現場改善によって工程を整えるべきだという話をしました。

では、その先にある「自動化」とは、どのような位置づけなのでしょうか。

結論から言うと、

自働化は目的ではなく、あくまで手段です。

■自働化の本来の役割

自働化という言葉を聞くと、

  • 人の作業を減らす
  • 楽にする
  • 自動で動かす

といったイメージを持たれがちです。
しかし、本来の役割は少し違います。

整った工程を、安定して再現すること

これが自働化の本質です。

■なぜ順番が重要なのか

ここまでの流れを振り返ります。

  • 現場に入る
  • 課題を具体化する
  • SQCDで優先順位を決める
  • 現場改善で工程を整える

この状態で初めて、自働化が検討対象になります。

もしこの順番を飛ばしてしまうと、

  • ムダをそのまま自働化する
  • 問題を見えなくする
  • 効果が出ない

といった結果になります。

■よくある失敗パターン

ここでありがちな失敗を整理しておきます。

失敗① 「自働化=解決手段」と思い込む

      とりあえず自働化すれば良い、という発想

失敗② 工程を見直さずに設備を入れる

      作業のやりづらさやムダを放置したまま自働化設備を導入

失敗③ 人の作業をそのまま置き換える

      本来改善すべきポイントがそのまま残る

■良い自働化とは何か

では、良い自働化とはどのようなものか。

既に整っている工程を、そのまま再現できているか。

例えば、

  • 作業が迷わない
  • ムダな動きが無い
  • 品質が安定している

この状態であれば、自働化してもそのまま再現されます。

逆に、

  • やりにくい
  • ムダが多い
  • バラついている

この状態で自働化すると、問題もそのまま固定化されます。
ただし、

自働化設備が勝手にやってくれるので、
上手くいっているように見えてしまいます。

■自働化のメリットが出る条件

自働化の効果が出るのは、次の状態です。

  • 工程が安定している
  • 作業が標準化されている
  • 誰がやっても同じ結果になる

このとき初めて、

  • 品質の安定
  • 作業負荷の低減
  • 生産性向上

といったメリットが出ます。

■「自働化=ゴール」ではない

もう一つ重要な視点は、自働化は決して「完成」ではないということです。

むしろ、

改善された工程を維持するための手段

です。

つまり、課題抽出や改善といったプロセスは、自働化の後も続いていきます

■まとめ

今回のポイントです。

  • 自働化は目的ではなく手段
  • まずは現場改善で工程を整える
  • 清流化された工程に対して適用する
  • 自働かは「再現性を高める」ためのもの

自働化は、最後に使うからこそ意味があります。

■シリーズまとめ

くどいようですが、ここまでの流れを改めて整理します。

  • まずは現場に入る
  • 現場から課題を具体化する
  • SQCDで課題の優先順位を決める
  • 現場改善で工程を整える
  • 自働化で安定して再現する

この順番を守ることが、自働化成功の最短ルートです。

自働化で絶大な効果を早く得たいという気持ちも良く分かりますが、

『急がば回れ』

の精神でこのプロセスを確実に踏むことが最も重要です。

次回予告

ここまで『自働化実行の手順』をテーマに記事を書いてきました。

「じゃあ具体的にどうすれいいのか」

という部分は、ここまで読んで頂ければお分かりの通りで、
現場改善に模範解答は無く、ケースバイケースです。

さて、このブログの今後の方針ですが、世にありふれた教科書的なことを書いていくのではなく、

私自身が業務で日々直面している状況を可能な限り発信する。

そうすることで、近しいお立場にある皆さんの一助となればと思いつつ、記事を綴っていこうと思います。

また近年、生産技術は個人業でなっていっているように感じています。
私はいろいろな知恵や知見が集まってこそ、良い生産技術が成り立つと考えています。
なので、この場で同じ境遇の方々と交流をし、生産技術者同士の輪を広げていければ良いなと思っています。

それでは、今後ともよろしくお願いいたします。

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