前回は、課題は「具体化」が重要であると解説しました。
しかし、現場で課題を出していくと、次に必ずこうなります。
どれから手をつければいいのか分からない。
今回は、この課題を解決するための考え方である
SQCDによる優先順位の付け方について整理します。
■SQCDとは何か
SQCDとは、現場の課題を評価するための基本指標です。
- S:Safety(安全)
- Q:Quality(品質)
- C:Cost(コスト)
- D:Delivery(納期)
現場で発生するほとんどの課題は、この4つに分類できます。
■なぜSQCDで整理するのか
課題をそのまま並べてしまうと、
- どれが重要なのか分からない
- 人によって優先順位が変わる
といった状態になります。
そこで重要になるのが「共通の判断基準」です。
SQCDを使うことで、
- 課題を整理できる
- 優先順位を揃えられる
ようになります。
■1つの課題は複数にまたがる
課題を挙げて整理していく上で重要なポイントがあります。
1つの課題は、1つの要素だけに属するわけではない。
ということです。
例:部品組付け作業
A-××○○という部品を6個取出して組付けしている。
- 1個当たり4秒(計24秒)
- 持ちにくい形状
- 基準方向があり、気を使う
この課題をSQCDで見ると、
- 時間がかかる → D(納期)
- 工数がかかる → C(コスト)
- 向きの間違い → Q(品質)
というように、複数の要素に影響しています。
■どうやって優先順位を決めるか
答えはいたってシンプルです。
S → Q → C → D の順で考えれば良いのです。
この順番には明確な理由があります。
◎S(安全)最優先
理由は、いくら品質が良くても、効率が良くても、
作業者が危険に晒され続けるようでは、成立しているとは言えません。
安全が担保されていない状態は、即改善対象です。
◎次に重要なQ(品質)
- 不良品が出る
- ミスが発生する
という状態では、製品として成立しないからです。
◎C(コスト)
品質が安定して初めて、コストに意識を向けます。
- 工数が多い
- ムダがある
といった課題は、ここで改善対象になります。
◎D(納期)が最後
- 時間短縮
- リードタイム改善
ただし、これを優先しすぎると、
前述のS(安全)やQ(品質)を崩す危険があります。
■よくある間違い
ここでよくあるミスがあります。
◎間違い①:納期や効率を優先する
- とにかく早く作ろうとする
- 作業時間を極端に削ろうとする
この考え方は間違いなく、安全や品質を壊します。
◎間違い②:コストだけを追い求める
- 人を減らす
- 作業を削る
結果として、現場の負担が増えたり、ミスが増えることになります。
■SQCDは「迷わないための軸」
SQCDの本質は、正しい判断をするための軸を持つことです。
現場では、
- 時間を短くしたい
- 人を減らしたい
- ミスを防ぎたい
といった異なる要求が同時に出てきます。
そのときに迷わないための基準が、このS → Q → C → Dです。
■まとめ
今回のポイントです。
順番を間違えると、改善は必ず失敗します。
次回予告
次回は、この優先順位をもとに、
どのように現場改善を進めていくのかを解説します。

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