インターンシップ生を迎えて。私が学生に「生産技術とは何か」を伝えたい理由

考え方

今期から準備を進めていたインターンシップ課題を使い、初めてインターンシップ生を受け入れた。

今回参加してくれたのは、院生1名、学部生2名の計3名。

初日は会社説明から始まったのだが、この時間になると毎回同じことを思う。

「何度説明しても、自分の会社を紹介している気がしない」

私は中途採用で入社して7年目になる。

もちろん会社への愛着はある。しかし、新卒から勤め上げている社員と比べれば、この会社で過ごした時間も思い出も少ない。

だからだろうか。会社説明をしていても、どこか借り物の言葉を話しているような感覚がある。

一方で、その後に行った「生産技術とは何か」「自働化とは何か」という説明については、自然と熱が入った。

これは今年から私の判断でインターンシップの内容に組み込んだものである。

■学生は「生産技術」を意外と知らない

インターンシップに参加する学生の中には、生産技術職を志望している人もいる。

しかし実際に話をしてみると、生産技術という仕事を十分理解しているケースは決して多くない。

もちろんそれは無理もない。

学生生活の中で、生産技術という仕事に触れる機会はほとんどないからだ。

だから私はまず、

「生産技術とは何か」

を伝えることから始める。

学生が持っているイメージと、実際の仕事内容とのギャップを埋めること。

それがインターンシップ初日に最も大切なことだと思っている。

■生産技術は地味で、苦労の絶えない仕事である

正直に言う。

生産技術は決して派手な仕事ではない。

開発のように新しい価値を創造するわけでもない。

設計のように製品の図面を描くわけでもない。

製造のように完成品を世に送り出すわけでもない。

営業のようにお客様のもとへ飛び回るわけでもない。

生産技術の仕事の多くは、会社の内側を向いている。

お客様から直接評価されることも少ない。

開発や設計、製造が活躍できる舞台を整えるために走り回る、いわば黒子のような存在だ。

そして業務範囲は驚くほど広い。

設計段階では、

  • 加工しやすいか
  • 組み立てやすいか
  • 運びやすいか
  • 生産しやすいか

を考えながら助言を行う。

量産準備では、

  • 場所
  • 工程
  • 設備
  • 工具

を整え、生産できる状態を作る。

量産後も、

  • 設備保全
  • 改善活動
  • 設計変更対応
  • 品質改善

などが続いていく。

製品が生まれてから世の中へ送り出されるまで、そのほぼ全てに関わる仕事なのである。

■「生産技術なら何とかしてくれる」という評価

生産技術を続けていると、よく言われることがある。

「生産技術なら何か知っているでしょう」

「生産技術なら何とかしてくれるでしょう」

もちろん期待されることはありがたい。

しかし実態としては、最初から知っているわけではないことも多い。

むしろ、

  • 聞いてみる
  • 調べてみる
  • やってみる
  • 失敗する
  • 修正する

その繰り返しである。

どれだけベテランになっても、新しい課題は必ず現れる。

だからこそ、生産技術者は誰しも何度でも「初めて」を経験する。

そしてそのたびに知識や経験を積み重ねていく。

私はそれが生産技術という仕事の本質だと思っている。

■それでも、この仕事には大きな魅力がある

ここまで読むと、大変な仕事にしか見えないかもしれない。

実際に大変である。

しかし私は、生産技術ほどやりがいのある仕事を他に知らない。

なぜなら、この仕事を続けていると、製造業のあらゆる分野に関わることになるからだ。

開発。

設計。

製造。

品質。

営業。

購買。

外注先。

時には経理や総務とも関わる。

技術だけではない。

人とのつながりも増えていく。

その経験は確実に自分の財産になる。

知識だけでなく、人脈や信用も積み上がる。

そして気がつけば、自分自身の判断で仕事を進められるようになる。

私自身も今では、誰かの指示を待って動くことはほとんどない。

自分で考えた道筋を提案し、その内容が認められ、自分の責任で進めていくことができている。

それは決して楽な道ではなかったが、生産技術という仕事を続けてきたからこそ得られたものだと思う。

■だからこそ、学生に伝えたい

私は学生に生産技術の良い部分だけを伝えたいわけではない。

苦労もある。

泥臭い仕事も多い。

報われないこともある。

それでも、その先には他の職種では得難い経験と成長がある。

だからまずは現実を知ってほしい。

その上で、それでも面白そうだと思えるなら、ぜひこの世界に飛び込んできてほしい。

そんな思いを込めて、今年は「生産技術とは何か」を自分の言葉で説明した。

学生たちにどこまで響いたのかは分からない。

ただ、インターンシップが終わった時に、

「生産技術って思っていたより面白い仕事だな」

そう感じてもらえていたら嬉しい。

まずはそのための第一歩として、今年最初のインターンシップをスタートすることができた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました